「輪廻転生と魂」
人が亡くなると、その人の人生経験の「記憶のデータ」が別の子宮に移ります。「自己」が移るのではありません。自己、つまりあなたは「空」という観察意識なので、自己が転生するというより「記憶のデ一タ」が転生するのです。そしてまた新たな肉体の中に取りこんだ「記憶」を自分だと錯覚して生きていくのです。単なる記憶のデータなのに、その記憶を自分の苦しみだと信じて生きていくのです。この記憶データのことを「魂」といいます。つまり魂とは、感情経験の記録器のようなもの、CDロムのようなもののことです。思考と感情の記録が魂です。ですから魂それ自体は「あなた」ではありません。あなたは魂のデータを読み取っている側です。
死を迎えるとき、あなたは周囲の空間にその「記憶」をデータとして残していきます。その感情の記憶に未練と執着があって、手放すことができないので残してしまうのです。記憶という想念波動や思考エネルギーの束が残るのです。「我が思い!」とあなたが信じ、執着するからです。単なる機械的なデータだということを忘れ、自分がそう思っているのだと錯覚するからです。それは一人歩きしていきます。ほどくことができず、光に戻れないのです。あなたが苦しんでいたら、それらの苦しみはすべてどこかに居場所を探します。どこかほかの記憶システムに入っていくのです。一つの子宮にまるまる入ってしまうこともあれば、断片的に入ることもあります。ですからその子宮の中の新しい肉体にとって、その苦しみの記憶は、今の自分のものではありません。「他人の思考や感情」を受け継いでいるのです。ただし、一個人の記憶システムをまるごと受け継いだりはしていません。
許されず、愛されず、達成されなかった考え方、マインド、記憶データなどが受け継がれやすいのです。それは「今回の新しい肉体で、なにがなんでも達成したい!」という執着のエネルギーが縛りとなって存続しているからです。マインドをほどくことができないままでいるのです。その思考、そのマインドが、誰かによって「単なるデータだ!」と識別されるまで、ほどくことができずに転生します。あなたの肉体の中には、断片的にあちらこちらからもらってきた「記憶データ」がいっぱいです。それらがあなたの苦悩システムを形成しています。
(中略)
一個人が丸ごと転生という状態はありません。しかし無数の「苦悩の記憶データ」は、とてもリアルなエネルギーを保って転生していきます。今こそそれを理解し、記憶としての苦しみを「溶かす」ときです。そうしなければ、今の肉体の中であまりにも分厚くなって、苦しさが増していきます。それでもあなたが、今現在の肉体の中にある「苦悩の記憶データ」に気づかないでいると、周囲の人の中にそれらを見いだすことになります。あなたが、誰かを見て「かわいそう」と思うとき、その「かわいそう」な部分はあなたの肉体にも苦悩の記憶データとして残っているのです。
いつか、どこかで、誰かが感じた無数の傷が、あなたの肉体に入り込んでいるのです。
しかしあなた自身という「空」にはなんの傷もありません。
あなた自身という「空」には苦悩がありません。
あなた自身という「空」は至福だけなのです。
ですからその苦悩の記憶を、あなたのものではない単なるデータとして受け入れ「気持ちはよくわかりました」「本当にお疲れさま」とねぎらってあげてください。
ありがとうございます。
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